はじめに

 薬害エイズ被害から約30年、血友病・HIV/HCV感染、その他の合併症など、複数の疾患による身体的負担や、精神的・社会的な影響を受け、その生活は脅かされてきました。
 近年、長期療養、高齢化により、その状況は深刻かつ複雑化しています。これまで家族の協力により生活をしていた方が、親御さんが高齢で支援を受けられない、またはその将来的な心配や不安をかかえているという声を聞くようになりました。病気をかかえながら安心して快適に生活するためには、まず、日常生活上の症状や障害の現状を明らかにし、必要としている具体的な支援サービスを検討することが不可欠です。しかし、皆さんが思っている以上に、日常生活上の症状や障害の現状は、本人以外からは把握されにくいという課題があります。これまで、支援者側のアプローチ不足により、その現状を知られることなく支援につながらないまま、様々な場面での不自由さを感じてこられた方がいると思います。
 この度、長期療養、高齢化の対策も含め、支援者側と皆さんが十分話し合いながらQOLの向上を目指し、情報共有、問題点を明らかにしながら支援を検討する医療者向けアセスメントシートを作成しました。通院先のスタッフと一緒に継続的にご活用いただければ幸いです。
 また、皆さんが支援の受け手という立場だけではなく、主体的に医療や生活に向き合い、障害を少なく安心して過ごすための対策を自ら選択し実践できるような情報を冊子にまとめました。日々の生活に役立てていただくことを願っております。

大金美和(ACC患者支援調整職)
独立行政法人国立国際医療研究センター(NCGM)
エイズ治療・研究開発センター(ACC)